「このままサラリーマンを続けていていいのだろうか」──そんな問いが頭をよぎることはありませんか。
毎朝満員電車に揺られ、定時を過ぎても会社に残り、帰宅したらヘトヘトで何もできない。それでも「働くのが普通」「稼ぐほど豊かになる」と信じて走り続けている。
私もずっとそうでした。でも、大原扁理さんの『年収90万円でハッピーライフ』を読んで、その「普通」という概念がいかに自分を縛っていたかに気づかされました。
この本、ひとことで言うと?
週2〜3日だけ働き、年収90万円で暮らした著者・大原扁理さんの実践記録であり、「そもそも生きるのに本当はいくら必要なのか」を根本から問い直す一冊です。
「年収が低い=不幸せ」という思い込みをひっくり返し、「最低限何があれば自分は満足できるのか」を徹底的に考え抜いた著者の思考が詰まっています。難しい理論や経済学の話ではなく、実際に著者が実践した生活の記録なので、とても読みやすいのも特徴です。
刺さったポイント① 「普通」は誰かが決めたルールだった
社会人になると、いつの間にかこんな「普通」が刷り込まれています。
- 正社員として働くのが普通
- 毎月それなりの収入を稼ぐのが普通
- 年齢とともにキャリアを積み上げるのが普通
でもこの本を読んで気づいたのは、これらはすべて「誰かが作ったゲームのルール」に過ぎないということ。
著者は「本当に必要なものだけ残したら、生活費はこれだけで済む」という事実を淡々と示してくれます。家賃・食費・光熱費・通信費。これらを最小化すれば、月7〜8万円でも生きられる。年収90万円という数字が、急にリアルに感じられてきます。
ミニマリストとして「持たない生活」を実践してきた私でも、「稼ぐこと」「働き続けること」はほぼ無条件に肯定していました。この本はその思い込みにまで踏み込んでくれました。
刺さったポイント② 「時間」こそが本当の資産
週5日・8時間働くサラリーマン生活では、自由に使える時間が圧倒的に少ない。
著者が年収90万円を選んだ理由は「お金が少なくていい」からではなく、「自分の時間を取り戻したい」からでした。週2〜3日の労働で生活できるなら、残りの4〜5日は自分のためだけに使える。
この視点は衝撃でした。私たちは「より多く稼ぐ」ために「より多くの時間」を売り続けている。でも、そのトレードオフをきちんと意識したことがあっただろうか、と。
「老後のために今を犠牲にする」という生き方が当たり前とされていますが、著者はそれに真っ向から「待って」と言います。今の時間こそが人生なのではないか、と。
刺さったポイント③ 「不安」をエネルギーにしない生き方
多くのサラリーマンが働き続ける原動力のひとつは「不安」です。老後の不安、リストラの不安、収入が途絶える不安。
でも著者は言います。「生活費が少なければ、不安の総量も減る」と。
支出を減らすと、必要な収入が減り、そのために働かなければならない時間も減る。不安から逃げるために稼ぐのではなく、そもそも不安の種を小さくしてしまう。これは守りの姿勢ではなく、むしろ攻めの生き方です。
読んでいて「ああ、自分は不安に操られて働いていたかもしれない」と素直に思いました。
今日からできるアクション
この本を読んで実際に試してみたいことを3つ挙げます。
- 自分の「最低限の生活費」を計算してみる
家賃・食費・光熱費・通信費など、本当に必要な費用だけを洗い出す。「自分は月いくらあれば生きられるか」を把握するだけで、働き方の選択肢が広がります。 - 「普通」だと思っている習慣を1つだけ疑ってみる
残業するのが普通、週5日働くのが普通、正社員でいるのが普通。そのひとつひとつを「本当にそうしたいのか?」と自分に問い直してみる。 - 「時間給」で自分の労働を見直す
年収÷労働時間で時給を計算してみてください。そして「その時給で自分の時間を売り続けることに納得しているか」を考えてみる。それだけで、何かが変わるはずです。
まとめ──読む前と後で変わったこと
この本を読む前の私は、「稼ぐこと=豊かになること」という式を疑ったことがありませんでした。
でも読んだ後は、「豊かさって何だろう」という問いを持てるようになりました。お金をたくさん稼いでも、使う時間がなければ豊かとは言えない。逆に収入が少なくても、自分の好きなように時間を使えているなら、それは十分に豊かかもしれない。
「今の生き方に何か違和感を感じている」「サラリーマンを続けることに疑問を持ち始めた」──そんな方にこそ読んでほしい一冊です。答えを与えてくれる本ではないけれど、「問い」を持つきっかけを与えてくれます。
大きく生き方を変えなくても大丈夫。ただ「これが普通だから」という理由だけで選択をやめて、「これは自分の選択だ」と言えるように生きてみませんか。



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