「女性ってなんであんなに買うの?」ミニマリストが読んだ『プリンセス・マーケティング』が答えをくれた

書籍「プリンセス・マーケティング 「女性」の購買意欲をかき立てる7つの大原則」の表紙 思考・読書

「女子はお金がかかるのよ。いろいろ買うものも多くてねー」

姉が笑いながらそう言っていたのを、今でも時々思い出します。服、化粧品、バッグ、アクセサリー、それはそれは楽しそうに買い物をしていました。当時の私には「なんでそんなに買うんだろう」という疑問しかなかったのですが、それを口に出すことも憚られて、ずっとそのままにしていました。

サラリーマンとして働きながらミニマリスト思考に目覚めてからは、「本当に必要なものだけを持つ」という生き方が自分にはしっくりきました。モノを減らすにつれて、余計な出費も減り、頭の中がスッキリしていく感覚。そこで改めて姉の言葉を思い出したんです。

「女性は本当にそんなにお金を使うのか? それとも、そう思わせる何かがあるのか?」

その答えを探して手に取ったのが、この本『プリンセス・マーケティング「女性」の購買意欲をかき立てる7つの大原則』です。

この本、ひと言で言うと

著者は谷本理恵子さん。女性向けマーケティングのプロフェッショナルとして、多くの企業に女性消費者へのアプローチを指南してきた方です。

この本をひと言で言うと、「女性と男性では、モノを買うときの心の動き方がそもそも違う」という事実を丁寧に解説した本です。

女性がたくさん買い物をするのは、衝動的だからでも、計画性がないからでもない。女性には女性なりのロジックがあって、そのロジックに沿って選んでいる。そのことがよくわかります。

「女性は感情で動く」「男性は論理で動く」という雑な分け方ではなく、もっと細かく、もっと本質的な違いが7つの原則として整理されています。マーケティングの本ですが、マーケターでない人が読んでも、身近な「女性の行動の謎」がするするとほどけていく感覚がありました。

読んで刺さったポイント3つ

① 女性はストーリーを買っている

大原則の1つ目は、「女性と男性では、求めている『ストーリー』が違う」というものです。

男性が商品を買うとき、多くの場合は「この機能が欲しい」「このスペックが必要」という目的ドリブンで動きます。でも女性は、「この商品を買ったら、自分がどんな人になるか」「どんな生活ができるか」というストーリーを買っているというんです。

たとえば化粧品。男性の視点では「肌が綺麗になれば何でもいいのでは?」と思ってしまいます。でも女性が選ぶのは、そのブランドが体現するライフスタイルや世界観であることが多い。「この香水をつけていたら、どんな自分になれるか」というイメージが購買動機になっている。

姉がブランド物を買うのも、「その服を着た自分のストーリー」を買っていたのかもしれない——そう思うと、急に納得感がありました。機能や値段ではなく、その先にある自分の姿を見ているんですね。

② 「共感」が信頼の入口になる

大原則5は、「女性と男性では、何を『信じる』かが違う」です。

男性は数字やデータ、専門家の権威に信頼を置く傾向がありますが、女性は「自分と同じ立場の人の声」を信じやすいと著者は言います。

「同じ悩みを持った人が、この商品を使って変わった」という体験談が、どんなスペック説明よりも心に刺さる。だからこそ、SNSの口コミや友人からのすすめが、女性の購買に大きく影響するというわけです。

これを読んで思ったのは、Amazonのレビューを見る行動一つとっても、男性は「星の数と機能比較」を見て、女性は「どんな人がどんな状況で買って、どう感じたか」を読む、という違いがあるかもしれないということ。確かに、自分の周りを見ていてもそういう傾向はあるなと感じました。

私自身もミニマリストとして「本当に必要なものだけを買う」を実践していますが、その「必要かどうか」の判断に、他の人の体験談を参考にすることは多いです。共感ベースの信頼は、女性特有ではなく、人間の本質的な部分かもしれません。

③ 女性の消費は「関係性」に紐付いている

大原則6、「女性と男性では、『関係性』の築き方が違う」も印象的でした。

男性は基本的に「目の前の問題を解決する」ために買います。一方で女性は、「誰かとの関係をより良くするために」「誰かに贈るために」「誰かと共有するために」という関係性ドリブンの購買が多いというのです。

たとえばスキンケア商品を買うとき、「自分がキレイになりたい」だけじゃなく「パートナーに喜んでほしい」「友達に褒めてもらいたい」という動機が混ざっていることがある。プレゼントの頻度が男性より多いのも、この「関係性の維持・強化」という欲求と繋がっているのかもしれません。

姉が「女子はお金がかかる」と言っていたのも、ひょっとしたら自分のためだけでなく、誰かとの関係を大切にするための出費が多かったのではないか・・そんな風に思えてきました。消費の動機が「自己完結」ではなく「関係性の中にある」というのは、なるほどと膝を打つ気づきでした。

ミニマリスト目線で思ったこと

ミニマリスト思考を持つ私にとって、この本は「女性の消費行動を批判する」ものでは全くありませんでした。むしろ逆で、「女性はいらないものを買っているのではなく、必要なもの(ストーリー・共感・関係性)を買っている」という視点をくれた本でした。

ミニマリズムは「モノを減らすこと」が目的じゃなくて、「本当に価値あるものに集中する」ことが本質。女性の購買行動も、スペックじゃなく体験・感情・つながりに価値を見出している、という点では実はミニマリズムと通じるものがあるな、と思いました。

「なんでこんなに買うんだろう」という疑問が、「なるほど、そういう価値観で選んでいるのか」という理解に変わった——それがこの本を読んだいちばんの収穫です。

また、この本はマーケティングの観点で書かれていますが、読み進めると「人はどのように物事を選ぶのか」という人間心理の本質にも触れることができます。性別に関わらず、消費行動の背後にある心理を知ることは、自分自身の選択を振り返る機会にもなります。ミニマリストとして「なぜ自分はこれを買ったのか?」と問い続けている私にとっても、新しい視座をくれる一冊でした。

今日からできるアクション3つ

1. パートナーや家族の買い物を「ストーリーで見る」

次に誰かが買い物をしていたら、「何を買った」ではなく「どんな自分になりたくて買ったのか」を想像してみましょう。理解の入口が変わります。

2. 「なぜ買ったのか」を話す機会を作る

女性の購買は「共感と関係性」に紐付いています。「何買ったの?」ではなく「それ、どんなところが好きなの?」と聞いてみると、会話が全然違う展開になります。

3. 自分の買い物を振り返る

男性でも女性でも、「自分はどんなストーリーを買っているか」を考えてみると面白い。ミニマリストな私でも、本を買うとき「この本を読んだ自分」を想像して選んでいることに気づきました。買い物の動機を言語化する習慣が、無駄遣いを減らす第一歩にもなります。

まとめ・こんな人に読んでほしい

『プリンセス・マーケティング』は、タイトルこそマーケティングの本ですが、読んでみると「女性という人間をどう理解するか」という本でした。

特に、身近な女性、パートナー、姉妹、同僚の行動に「なんでこういう行動をするのか分からない」と感じている男性にこそ読んでほしい一冊です。女性の購買行動の背後にある心理を知るだけで、日常のコミュニケーションが少し豊かになる気がします。

買い物が大好きな女性の方にも読んでほしいです。「なんとなく好き」と思って選んでいたものが、実は7つの原則のどれかに当てはまっていて、自分の消費行動がクリアに見えてくる感覚があるかもしれません。

そしてミニマリストや「なるべくモノを増やしたくない」派の方にも、おすすめできます。女性の消費を「理解できない」と感じていた私が、この本を読んでその背景にある価値観を理解できた。理解することで、無用な対立も減ると思います。

自分のことをもっと理解したい方にも、身近な女性のことをもっと理解したい方にも、間違いなくおすすめできる一冊です。ぜひチェックしてみてください。

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