「捨てることを考えたら、買えない」そんな私がこの本を読んだ理由
ウィンドウショッピングは大好きです。
でも、なかなか買えない。なぜなら「これを買ったら、いつか捨てるんだよな」という考えが頭をよぎるから。
ミニマリスト思考の私にとって、”買う”という行為は同時に”いつか手放す”ことでもあって、それが躊躇につながってしまいます。
そんな自分なのに、気づけばまた何かをポチっていたりする。ネットで気になるものを見つけたとき、「別にいらないのになぁ」と思いながらもカートに入れてしまう感覚、わかる方いませんか?
「自分はなぜ買いたいと思うのか?」「なぜ買ったあとに後悔するのか?」
そんな疑問に、意外な本が答えをくれました。それが今回ご紹介する『顧客起点マーケティング』です。
マーケティングの本を手に取った理由
正直に言うと、私はマーケティングにほとんど興味がありませんでした。
私の仕事は、どちらかというと「人の気持ちに寄り添う」系の仕事です。華やかな販促や広告とは遠い場所にいて、「マーケティングって自分には関係ないかな」と思っていました。
ただ最近、少し視野を広げてみようと思って手に取ったのがこの本。読んでみたら、予想外にハマりました。
それも「マーケターとして役立てよう」ではなく、「自分の消費行動を理解するヒントになる」と感じたからです。
この本が教えてくれた「買う心」の仕組み
この本の主役は「N1分析」という考え方です。
N1とは「たった1人の顧客」のこと。「なぜこの人はこれを買ったのか?」「買う前はどんな気持ちだったか?」「どこで知って、何が決め手になったか?」——そこを1人の人間について徹底的に掘り下げることが、マーケティングの本質だ、という話です。
読みながら、私はふと思いました。
「これ、自分自身を顧客として分析できるやん」
「なぜ自分はあれを買ってしまったのか」「なぜあれはウィンドウショッピングで終わったのか」——N1分析の問いは、そのまま自分の消費行動への問いになる。
「顧客ピラミッド」で見えた、自分の買い物パターン
この本では顧客を5段階のピラミッドで整理しています。
- ロイヤル顧客:繰り返し買う、熱烈なファン
- 一般顧客:たまに買う
- 離反顧客:昔は買っていたが、最近は買っていない
- 認知・未購買顧客:知っているけど買っていない
- 未認知顧客:そもそも知らない
ミニマリスト思考の私の場合、新しい商品に対してはほぼ「認知・未購買顧客」のポジションにいることが多いなと気づきました。
知ってる、気になってる、でも買ってない。
では「認知・未購買顧客」がなぜ買わないのか?本によれば、それは「機能的な価値か、情緒的な価値か、どちらかが自分にとって十分ではない」からだといいます。
私の場合は「ものを増やしたくない」という気持ちが情緒的な障壁になっている。でも逆に「これがあれば生活が変わる」という強い機能的な価値を感じた瞬間に、ポチってしまっている——読んでいてそれが腑に落ちました。
「衝動買い」はなぜ起きるのか、マーケティング視点で考えてみた
ミニマリスト思考の人間がなぜ衝動買いしてしまうのか。この本を読んで、私なりの仮説が立ちました。
ウィンドウショッピングで何かを見て「かわいい」「便利そう」と思う瞬間、私の中に一時的な情緒的な価値が生まれます。その感情が「捨てることを考える」という理性的な判断を上回ったとき、買う。
マーケティングの視点では、この「感情が理性を超えた瞬間」を意図的に作り出すことが、優れたマーケティングだということになります。
つまり、上手な広告やSNSの投稿は私の情緒的な価値を意図的に刺激しているわけです。
「なんか気になる」「なんか欲しくなった」——その”なんか”の正体は、偶然ではなく設計されたものかもしれない。そう考えると、自分の買い物の衝動に少し客観的になれる気がしました。
ものを増やしたくない人にこそ、読んでほしい理由
逆説的に聞こえるかもしれませんが、ミニマリスト志向の人ほど、この本が役に立つと私は思います。
理由は2つ。
1つ目は「なぜ買いたいと感じるのか」がわかるから。
マーケターが「なぜ人は買うのか」を研究した視点は、そのまま「自分はなぜこれを欲しいと思っているのか」を問い直すツールになります。感情的な欲求なのか、本当に必要な機能があるのか——それが整理できると、買い物の判断がぐっとクリアになります。
2つ目は「手放すことへの解像度が上がるから」。
「顧客が離反するとき、何が起きているか」を考える視点は、「自分がものを手放すとき、何が起きているか」にも応用できます。「これを買ったとき、私は何を期待していたか」がわかれば、「なぜ結局使わなかったのか」も理解できる。次の買い物の失敗を減らすヒントになります。
正直なところ:難しい部分もある
一点だけ正直に書いておくと、本の事例は大企業のブランド話が中心で「自分ごと」にしにくい部分もあります。
でも「考え方のフレームワーク」として受け取れば、仕事でも買い物でも、日常のいろんな場面で応用できます。私のように「マーケティングに縁遠い」と思っていた人でも、読み終わるころには「これ使えるな」と感じる場面が必ず出てくると思います。
まとめ:「なぜ買うのか」を知ることは、自分を知ること
ものを増やしたくないのに、気づいたら買っている。
そんな矛盾した自分の行動に悩んでいた私が、この本から得たのは「マーケティングの知識」ではなく「自分の買い物行動を観察する視点」でした。
「なぜ買うのか」を理解することは、「何が本当に自分に必要か」を知ることにもつながります。ミニマリスト的に言えば、”残すものの基準”が鮮明になる感覚です。
ウィンドウショッピングが好き、でも買い物でいつも悩んでいる——そんな方にぜひ読んでほしい一冊です。
読んでいただきありがとうございました。共感した方はぜひシェアしてもらえると嬉しいです!


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