「ITパスポート、受けてみようかな」と思い始めたのは、社内の人事システムが刷新されて、資格欄が目立つようになったタイミングでした。
私はIT業界で働いていますが、プログラマーやエンジニアではなく、どちらかというと営業・企画寄りの仕事です。「ITパスポートって、エンジニアじゃない人も取るものなの?」と正直思っていました。でも調べてみると、むしろ「ITを使うすべてのビジネスパーソン向け」の資格だと分かった。それなら自分にも関係ある、と。
ただ、試験勉強となると話は別です。データベース、ネットワーク、セキュリティ……カタカナと英略語が並ぶ試験範囲を見て、「これ、文系サラリーマンの自分には無理かも」と一瞬ひるみました。
そのとき出会ったのが、『いちばんやさしい ITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集』です。結果から言うと、この1冊だけで合格できました。
ITパスポートとはどんな試験か
ITパスポートは、経済産業省が認定する国家資格です。難易度はIT系資格の中でもっとも入門寄りで、IT初心者でも挑戦しやすいとされています。
試験はCBT方式(コンピューター上で受験)で、全国各地のテストセンターで毎月受けられます。スケジュールの自由度が高いのも、働きながら受験する社会人には助かります。合格基準はすべての分野で60%以上、かつ総合スコア60%以上。一発合格を目指せる水準です。
なぜこの1冊を選んだのか
書店でITパスポートの参考書コーナーを見ると、5〜6冊並んでいます。その中でこの本を選んだ理由は、ページをめくったときの「読める感」でした。
他の参考書は、専門用語の説明が専門用語で続く感じで、最初の数ページで気持ちが沈みました。でもこの本は、図解が多く、「つまりこういうことです」という説明が親切。IT初心者の自分でも、読み進めながら「なんとなく分かる」感覚が続きました。
実際の勉強法と3つのポイント
1. 試験日を先に申し込む
「よし、勉強しよう」と思って本を買っても、期限がなければズルズルしてしまいます。私は本を買うのと同時に、翌々月の試験日を申し込みました。
締め切りを作ることで、「あと○日しかない」というカウントダウンが始まります。危機感はモチベーションになる。仕事の締め切りと同じです。試験日を先に決めることを、強くおすすめします。
2. 1日1章、完璧を求めない
本書は章立てが細かく、1章あたりの分量が適切にまとまっています。私は毎朝出勤前の30分と、昼休みの10分を使って、1日1章を目安に読み進めました。
最初は「全部理解してから次へ」と思っていましたが、それをやると序盤で止まってしまいます。分からなくてもいったん次へ進む。2周目に読んだとき、不思議と理解できていることが多い。特にデータベースやネットワークのあたりは、1周目は「なんとなく雰囲気で読む」くらいで十分でした。
3. 問題集は苦手分野を繰り返す
本書には問題集も一体化されています。各章の末尾に確認問題があり、巻末に模擬試験もついています。
私が特に苦手だったのは「経営戦略」と「財務会計」の分野。IT寄りの内容は職場の経験でなんとなく分かりましたが、PL法とかROEとか、ビジネス系の用語は頭に入りにくかった。問題を解いては見直し、見直しては解くを3〜4回繰り返すことで、徐々に定着させました。
試験当日のこと
テストセンターに着くと、受付でロッカーに荷物を預けて、個室のブースでパソコンに向かいます。紙の試験とは違う緊張感がありました。
試験時間は120分で100問。時間的には余裕があります。解き終わったあとに見直す時間も十分取れました。「これ分からない」という問題はいくつかありましたが、「全然見たことない」という問題はほぼなかった。本書で一通りカバーされていた、という感覚です。
結果は試験終了後すぐに画面で表示されます。合格の文字が出たときは、小さくガッツポーズしました(個室なので誰にも見られていません)。
合格後に変わったこと
一番の変化は、IT関係の話が「なんとなく怖い」から「なんとなく分かる」に変わったことです。
会議でセキュリティポリシーの話が出たとき、「ああ、これは試験で出てきたやつだ」と思えるようになりました。完全に理解しているわけではないけれど、「まったく知らない話をされている」という疎外感がなくなった。それだけで、仕事のストレスが少し減った気がします。
また、履歴書や社内の資格欄に書けるものができた、という地味な満足感もあります。国家資格である以上、それなりの重みがあります。
資格取得にかかったコストと時間
参考までに、費用と勉強時間についてまとめておきます。受験料は7,500円(税込)、参考書代は1,800円前後。合計1万円強で国家資格が取れると考えると、コスパはかなり高い投資です。転職や社内評価の場面で「ITパスポート取得」と書ける重みを考えれば、むしろ安いくらいです。
勉強期間は約2ヶ月、合計50〜60時間程度でした。毎日30〜40分を2ヶ月続けたイメージです。通勤・昼休みを活用すれば、まとまった時間が取りにくい社会人でも十分確保できます。試験前日は本書を最初からざっと読み返し、「細部の暗記」より「全体感を持つ」ことを意識しました。試験範囲が広い分、深追いしすぎると時間切れになります。このレベルの試験では、8割理解で十分です。
「自分には無理かも」と思っていた人へ
私はIT業界にいながら、エンジニアではない営業・企画寄りの立場です。試験範囲を最初に見たとき「カタカナと英略語だらけで自分には無理かも」と思いました。でも実際に勉強を始めてみると、この本の説明が丁寧で、読み進めるうちに「なんとなく分かる」に変わっていきました。
完璧に理解しなくていい。「会議でその言葉が出たとき怖くない」程度の理解が、ITパスポートの目的に合っています。セキュリティ、ネットワーク、データベース……これらの言葉が「なんとなく怖い」から「なんとなく知っている」に変わるだけで、仕事の場面でのストレスが確実に減ります。苦手意識が強い人ほど、この本の親切な解説が刺さるはずです。「自分には無理」という先入観を、まず捨ててみてください。
こんな人におすすめ
- ITの知識がなく、どこから学べばいいか分からない
- 会社でITパスポート取得を推奨されているが何をすればいいか分からない
- 働きながら資格を取りたいが、勉強時間がなかなか取れない
- IT系の会話についていけない、と感じることがある
今日からできるアクション
まず本書を手に入れてください。そしてその日のうちに試験の申し込みをしてみてください。「勉強してから申し込もう」と思うと、申し込みが永遠に後回しになります。
申し込みをしてしまえば、あとは自然と動き始めます。期限があれば人は動けます。「来月末に受ける」と決めてしまうのが、最短合格への道です。
ITに苦手意識があっても、正しい1冊を選べば確実に合格できます。「自分には無理かも」と思っていた私が言うので、信じてもらえると思います。







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