あなたは最近、ゆっくり本を読めていますか?
仕事が忙しくなると、なぜか本を読む時間がなくなる——そんな経験をしたことがある人は多いと思います。この本はその「なぜ?」に真正面から向き合った一冊です。
書籍情報
| タイトル | なぜ働いていると本が読めなくなるのか |
| 著者 | 三宅香帆 |
| 出版社 | 集英社(集英社新書) |
| 発売日 | 2024年4月17日 |
| ページ数 | 272ページ |
著者・三宅香帆さんとは
三宅香帆さんは文芸評論家・書評家として活躍されており、自身も「本が大好き」という立場から、現代の読書文化や労働のあり方について鋭い視点で論じています。書評や読書に関する発信で多くのファンを持ち、本書は発売直後から大きな話題となりました。
本の内容:「本を読む」を入り口に社会を読み解く
この本の面白さは、単純に「読書のすすめ」ではなく、「本を読む文化」を軸にして日本の社会・労働のあり方を歴史的に読み解いている点にあります。
明治時代から現代まで、日本人はどのように「働くこと」と「読むこと」を両立させ、あるいは切り離してきたのか。本書はその変遷を丁寧にたどりながら、現代の「仕事に追われて本が読めない」という感覚の根源を明らかにしていきます。
仕事に全力を注ぐ生き方が当たり前になると、脳のリソースは仕事に最適化され、読書のように「ノイズ」を楽しむ余白が失われていく——その構造が丁寧に解き明かされています。
読んでみての感想:納得と気づきの連続
読み進めながら、何度も「そうか、これが原因だったのか」と膝を打ちました。
本を読むという文化に始まり、本を読むことを軸に社会のあり方を説いており、仕事に注力しすぎてしまうと本を読めないという内容は、すごく納得のいくものでした。
そしてここで改めて気づかされたのが、「人生の優先度をしっかり決める必要がある」ということ。
仕事を頑張ることは大切。でも、それだけに没頭していると、読書のように人生を豊かにするものが自然とこぼれ落ちていってしまう。「本が読めない」という現象は、実は「人生の使い方」を問い直すサインなのかもしれません。
この本から学べること
- なぜ仕事が忙しくなると本が読めなくなるのか、その構造的な理由がわかる
- 「読書できない自分」を責めなくていいと気づける
- 働き方・生き方における「優先度の設計」の重要性を知る
- 日本の労働文化と読書文化の歴史的な関係を俯瞰できる
こんな人におすすめ
- 「忙しくて本が読めない」と感じているビジネスパーソン
- 仕事と読書・趣味を両立したいと思っている人
- 人生の優先順位を見直したいと考えている人
- 日本の働き方・社会について考えたい人
まとめ
「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」は、単なる読書術の本ではありません。仕事・読書・人生の優先度という、現代人が抱える本質的な問いに向き合う一冊です。
読み終えたとき、あなたはきっと「自分の時間の使い方を変えよう」と思うはずです。忙しい毎日を送っているすべての人に手に取ってほしい、そんな一冊でした。
「本が読めない」のは意志の問題じゃない
この本を読んで最初に救われたのは、「忙しくて本が読めないのは自分が怠けているわけじゃない」という視点です。
著者の三宅香帆さんは、「仕事と読書は本質的に相性が悪い」と指摘します。仕事は「ノイズをカットして集中する力」を求めますが、読書は「ノイズをむしろ取り込んで広げる力」を使う。脳の使い方が真逆なんです。
だから仕事で疲れた頭には、読書よりSNSやYouTubeの方が「楽」に感じられる。これは意志力の問題ではなく、構造の問題だという説明が腑に落ちました。
読んでみて自分に重なったこと
サラリーマンとして働いていると、平日の夜に「じっくり本を読もう」という気持ちが起きにくいのは確かです。仕事モードで一日中「素早く判断する」を繰り返した後では、本の文章を追う気力が残っていない。
この本を読んで、「読めない自分を責めるより、読める環境を作ることを考えよう」という方向に気持ちが切り替わりました。週末の朝、仕事のことを考える前の1時間を読書に使う習慣を意識するようになったのは、この本の影響です。
こんな人におすすめ
- 「昔は本を読んでいたのに最近全然読めていない」と感じている人
- 仕事が忙しくなるほど趣味の時間が消えていく感覚がある人
- 自分を責めずに読書習慣を取り戻したい人
読み終えた後、少しだけ「また本を読みたい」という気持ちが戻ってきます。そういう力を持った一冊です。







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