「お金の使い方」を変えたら人生が豊かになった話|アラフォーが読んだ『アート・オブ・スペンディングマネー』

アート・オブ・スペンディングマネー モーガン・ハウセル 書籍表紙 思考・読書

お金の使い方に、正解ってあるんでしょうか?

20代のころ、私は東京に上京したばかりで、「いい服を着ること=成功の証」みたいに思っていた時期があります。週末になると丸井に足を運んだり、年に数回のファミリーセールに行ってみたり、ブランドのジャケットやスニーカーを買って、なんとなく満足していた。でも今、アラフォーになってそのころを振り返ると、あの買い物で手に入れたものって、いったい何だったんだろう…という気持ちになります。

そんな自分の変化を言語化してくれる本に出合いました。モーガン・ハウセル著の『アート・オブ・スペンディングマネー 1度きりの人生で「お金」をどう使うべきか?』です。「お金の使い方」という、誰もが関心を持ちながらもなかなか正面から語られないテーマを、著者らしいシンプルで深い視点で掘り下げた一冊です。

本の概要

著者のモーガン・ハウセルは、世界的ベストセラー『サイコロジー・オブ・マネー』で知られる投資家・作家です。前著が「お金との心理的な付き合い方」を説いたとすれば、本書はその実践編とも言える内容です。

ひとことで言うと、「お金を稼ぐことより、どう使うかの方が、人生の豊かさに直結している」という本です。節約や投資のハウツーではなく、もっと本質的な問い――「あなたは何に、なぜ、お金を使っているのか?」――に向き合わせてくれます。読み終えたあと、なんとなく自分の支出を見直したくなる、そんな一冊です。

読んで気づいたこと①:「もの」より「体験」にお金を使う方が幸せになれる

本の中で特に刺さったのが、「物への支出は満足感が下がりやすく、体験への支出は記憶に残りやすい」という考え方です。これ、まさに私自身が体で経験してきたことでした。

上京したての20代、丸井のセールで買ったブランドのバッグや服は、最初は嬉しかったけど、気づけばクローゼットの奥に眠っていました。一方で、海外でのバックパッカー生活や、当時の仲間とドライブしたり、初めて食べた本格的なフレンチの記憶は、今でもはっきり残っています。

アラフォーになった今では、ブランドものにほとんど興味がなくなりました。それよりも、家族/友人との旅行や、気になっていたお店でちょっと奮発したディナーなど、「体験」にお金を使う方が、ずっと満足感が高いと感じています。本書はそれを「正しい使い方だ」と後押ししてくれるような内容でした。

読んで気づいたこと②:お金の使い方とミニマリズムは通じている

もう一つ印象的だったのが、「本当に自分が価値を感じるものだけに使う」という考え方が、ミニマリストの生き方にも通じているという点です。

ミニマリズムというと「モノを減らす」というイメージが強いですが、本質は「自分にとって本当に大切なものを選び取る生き方」だと思います。お金の使い方も同じで、世間体や見栄のために使うのではなく、自分が心から価値を感じることに絞って使う。余計なものを買わない、という意味では、支出のミニマリズムとも言えます。

私自身、ここ数年でかなりモノを減らしてきました。クローゼットもだいぶスッキリしたし、衝動買いもほとんどしなくなった。その分、本当に使いたいと思うものには以前より迷わず使えるようになってきた気がします。本書を読んで、そういう方向性に確信が持てた感じがしました。

読んで気づいたこと③:「続けるもの」と「やめるもの」を切り分ける大切さ

本の中で特に共感したのが、「いろいろ試してみて、続けるものと続けないものを切り分けることが大事」というメッセージです。

お金の使い方も、人生の過ごし方も、最初から正解はわかりません。試してみて、「これは自分に合っている」「これは違う」と判断して、少しずつ自分なりのスタイルを作っていく。私が丸井でブランド服を買っていた20代も、ある意味では「試した結果、自分には合わなかった」という体験だったと思えば、無駄ではなかったのかもしれません。

サブスクやジム、習い事など、始めたはいいけど「なんとなく続けている」ものはありませんか?本書のこのメッセージは、そういう「惰性の支出」を見直すきっかけにもなります。続けることに意味があるのか、一度立ち止まって考えてみる。それだけで、お金の使い方はかなり変わります。

今日からできるアクション

本を読んでそのまま終わりにするのはもったいない。私自身が試してみた、すぐできることをいくつか挙げてみます。

  • 今月の支出を「もの」と「体験」に分類してみる:自分がどこにお金を使っているかを見える化するだけで、気づきがあります。
  • 惰性のサブスクや会費を1つ見直す:「続けているけど本当に使っているか?」と問いかけてみる。月1,000円でも年間12,000円になります。
  • 次の「体験」に少し奮発してみる:旅行でも食事でも、ちょっと背伸びした体験にお金を使ってみる。モノを買うより記憶に残ります。
  • クローゼットや引き出しを1か所だけ整理する:不要なものを手放すと、本当に必要なものが見えてきます。

完璧にやろうとしなくて大丈夫です。1つだけでも試してみると、少し世界の見え方が変わるかもしれません。

まとめ:お金の使い方を変えると、人生が変わる

『アート・オブ・スペンディングマネー』は、投資や節約の本ではなく、「自分にとっての豊かさとは何か」を問い直す本です。

20代のころ服を買いまくっていた私が、今では「体験」や「ミニマルな暮らし」に価値を感じるようになったのは、自然な変化だったと思います。でも、この本を読んでいたら、もっと早くそのことに気づけたかもしれないな、とも思います。

お金の使い方に迷っている方、なんとなくの支出に満足していない方、そしてアラフォーで生き方を見直したい方に、特におすすめしたい一冊です。ぜひ手に取ってみてください。

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