「やってみないとわからない」を教えてくれた一冊|沢木耕太郎『深夜特急』レビュー

思考・読書

「海外旅行に行ってみたいけど、なんとなく一歩が踏み出せない」。大学生のころの私がまさにそうでした。英語も自信がないし、ひとり旅なんてできるのかと不安でいっぱい。でも、そんなときに出会った一冊が、その気持ちを大きく変えてくれました。

沢木耕太郎の『深夜特急』です。この本は、私がブログのプロフィール欄に「影響を受けた本」として挙げているほど、人生に刺さった一冊。今日はその理由と、この本から得た気づきをお伝えしたいと思います。

『深夜特急』とはどんな本か

『深夜特急』は、著者・沢木耕太郎が26歳のときに実際に体験したアジア〜ヨーロッパへの旅をつづったノンフィクション作品です。インドのデリーから乗り合いバスでイギリス・ロンドンを目指すという壮大な旅で、全6巻にわたり描かれています。

香港・マカオを皮切りに、インド、パキスタン、アフガニスタン、イラン、トルコ、ギリシャ……と次々と国境を越えていく様子が、リアルな言葉で綴られています。「旅行記」というとガイドブック的なイメージを持つかもしれませんが、この本はまったく違います。旅先で出会う人々との関わり、時に危険と隣り合わせになる経験、異文化との衝突と発見。旅を通じて著者が何を感じ、どう変わっていくかが、圧倒的なリアリティで描かれています。

読んで刺さったポイント3つ

① 「体験してみないとわからない」という当たり前のこと

この本を読んで一番強く感じたのは、「何でも実際にやってみないとわからない」ということでした。

沢木耕太郎は旅の途中で、言葉が通じない、お金が尽きそうになる、予想外のトラブルが連続するといった壁に何度もぶつかります。でも、それらを乗り越えていく過程で、確実に何かをつかんでいく。

「海外旅行は難しそう」「英語が話せないと無理」「ひとり旅は危険」——そういう先入観って、実際にやってみる前の思い込みであることがほとんどです。やってみたら「あ、なんとかなるものだな」と感じることの方が多い。この本はそのことを、26歳の一人の青年の実体験を通して教えてくれます。

日常生活でも同じですよね。仕事でも、趣味でも、「やってみなければ良さも難しさもわからない」ことって本当に多い。頭の中で「できるか・できないか」を考えているだけでは、いつまでも前に進めない。この本はそのことを、強烈に思い知らせてくれました。

② 「計画通りにいかない」ことが旅の本質

もう一つ印象に残っているのは、この旅が決して「完璧な計画の上」で進んでいないことです。

著者は旅の最初から、細かいルートや日程を決めて動いているわけではありません。その場その場の流れに身を委ねながら、次の目的地を決めていく。トラブルが起きても、それさえも旅の一部として受け入れていく姿勢が描かれています。

サラリーマンとして毎日スケジュール通りに動いている身からすると、この感覚はとても新鮮でした。仕事でも、完璧な計画を立てることよりも、変化に柔軟に対応する力の方が大事だったりする。この本が教えてくれたのは、旅だけでなく人生全体への姿勢でもあったかもしれません。

③ 読んでいると、自分も旅に出たくなる文章力

これはシンプルに、沢木耕太郎の文章の力だと思います。

香港の雑踏の喧騒、インドの熱気と混沌、ヨーロッパの風景……。読んでいると、まるで自分がその場にいるかのような感覚になる。大学生のころの私がこの本を読んで「海外に行ってみたい」と強く思ったのも、この圧倒的な没入感があったからです。

読書で旅をしているような感覚になれる、本当に稀有な作品です。旅が好きな人はもちろん、まだ旅をしたことがない人にこそ読んでほしい。

今日からできるアクション

『深夜特急』を読んで、「行動してみること」の大切さを改めて感じました。本から得た気づきをもとに、今すぐできることを3つ提案します。

① 「やってみたいこと」リストをつくる
「いつかやりたい」と思っていることを書き出してみましょう。海外旅行でも、新しい趣味でも、気になっていたお店でも。書き出すだけで「やってみよう」という気持ちが動き出します。

② 小さな「ひとり行動」をしてみる
いきなり海外旅行でなくていい。まずは国内で、一人で知らない街を歩いてみる。計画を立てすぎず、気の向くままに動く体験が、新しい視点を与えてくれます。

③ まず『深夜特急』を読む
行動の前に、まずイメージを膨らませることも大切。この本を読むと、「自分にもできるかもしれない」という気持ちが自然と育ってきます。読み終わったあと、きっと何かが変わっているはずです。

まとめ

『深夜特急』は、単なる旅行記ではありません。「知らないことは、やってみるまでわからない」というシンプルだけど大切なことを、圧倒的なリアリティで教えてくれる一冊です。

大学生だった私がこの本に出会い「海外に行ってみたい」と強く思うようになったように、この本はきっとあなたの中の「やってみたい」という気持ちを後押ししてくれるはずです。

まだ読んでいない方は、ぜひ手に取ってみてください。行動したことのある人も、まだしていない人も、きっと何かが刺さるはず。それほどの力を持った作品です。

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