「モノを持つほど、家族が困る」相続対策の本で気づいたミニマリストの視点

書籍「知らないと大損する相続対策」の表紙 思考・読書

実家に帰るたびに、モノの多さにため息をついたことはありませんか。親が元気なうちは、相続なんてまだ先の話だと感じますよね。しかし、その「まだ先」は、思っているよりも早くやってきます。私自身、サラリーマンとして働きながら、いつか訪れる相続のことをどこかで先送りにしていました。そんなときに出会ったのが、『知らないと大損する相続対策』という一冊です。今日はこの本をきっかけに、ミニマリスト視点から相続対策を考えてみたいと思います。

本の概要

著者の大村大次郎さんは、元国税調査官です。税務署の内側を知る立場から、相続税の仕組みをわかりやすく解説しています。相続税は「資産家だけの税金」ではありません。持ち家や預貯金があれば、普通の家庭でも課税対象になる可能性があるそうです。また、配偶者の税額軽減や生前贈与、小規模宅地の特例なども紹介されています。正しく使えば、相続税は大きく減らせる場合があるといいます。さらに本書では、アパート経営やタワーマンション節税といった「相続ビジネス」の危うさにも触れています。一見おトクに見える節税策が、かえって家族を苦しめることもあるようです。

相続対策とミニマリスト、モノが多いほど「争族」になる

この本を読んで、まず刺さったのは「争族」という言葉です。遺産が少ないほど、かえって相続でモメやすいと言われています。実家が持ち家一軒だけ、という家庭ほど分割しづらいからです。たとえば、きょうだい3人で実家を相続する場面を想像してみてください。家を売って現金で分けるか、誰かが住み続けて他の2人に代金を払うか。話し合いがまとまらず、関係がこじれてしまうケースも少なくないそうです。

ミニマリストとして持ち物を減らす暮らしをしていると、この構造がよく見えてきます。モノや不動産は、分けにくいからこそトラブルの種になるのです。逆に言えば、現金や整理された財産は、家族への一番の思いやりになります。相続対策を考えるうえで、ミニマリストの視点は意外と役立つのではないでしょうか。

「持たない暮らし」は生前整理そのもの

本書では、生前贈与や生命保険を使った対策が紹介されています。つまり、元気なうちに財産を整理し、渡し方を決めておくことが重要だということです。これは、ミニマリズムの考え方ととても近いと感じました。私は普段から、使っていないモノを定期的に手放すようにしています。クローゼットの奥にある服、読み返さない本、いつか使うかもしれない家電。

これらを「いつか」ではなく「今」判断することが、ミニマリストの習慣です。相続対策も同じで、「いつか考える」ではなく「今、整理する」ことが大切なのだと気づきました。実家の片付けを手伝った経験がある方なら、共感してもらえるはずです。モノが多い家ほど、何をどう分けるかの判断に時間がかかります。親が元気なうちに一緒に片付けておくことは、立派な相続対策の一つだと思います。

「相続ビジネス」に飛びつかない姿勢

本書が警鐘を鳴らす「相続ビジネス」も、示唆に富んでいました。アパート経営やタワーマンション節税は、一見魅力的に見えます。しかし、管理の手間やリスクを背負うのは、結局のところ家族です。ミニマリストの発想では、「増やして節税する」より「減らして手間を減らす」方が性に合います。

もちろん、資産状況によっては有効な対策もあるでしょう。ただし、モノや不動産を増やすことは、同時に管理の負担を増やすことでもあります。家族に残すべきは、複雑な資産よりも、シンプルでわかりやすい財産なのかもしれません。

今日からできる相続対策アクション

この本を読んで、今日から実践できることをまとめてみました。一つ目は、実家に眠っているモノの「棚卸し」です。帰省したタイミングで、使っていないモノを一緒に見直してみましょう。二つ目は、家族と「もしも」の話を早めにしておくことです。相続の話は縁起が悪いと避けられがちですが、元気なうちの方が話しやすいものです。三つ目は、自分自身の持ち物を減らしておくことです。将来、自分の家族に同じ苦労をさせないための、今からできる備えになります。

まとめ

相続は、誰にとっても他人事ではありません。しかし、モノを持たない暮らしを意識するだけでも、備えは変わってきます。『知らないと大損する相続対策』は、税金の知識だけでなく、家族との向き合い方も教えてくれる一冊でした。実家の片付けが気になっている方、将来の相続に漠然とした不安がある方に、ぜひ読んでほしい本です。まずは身近なモノを一つ、手放すことから始めてみませんか。

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